はじめに

 似島には明治以降の近代日本における数々の戦争や原爆被害に関わる重く悲しい歴史があり、その歴史の証言者とも言える当時の遺構や遺跡が残されています。しかし、戦後75年を経た今日、当時の出来事を体験した方たちは数少なくなり、残念ながら、若い方たちには歴史の教科書上での出来事であり、自分たちの今日における課題でもあるとの認識が風化している現況があります。

 この度、似島の歴史、とりわけ島が関わった戦争および原爆被害に関する歴史を調査、発掘するとともに、過去の戦争や原爆被害の歴史を広島市民のみならず、修学旅行や平和学習で広島を訪れる全国の方々に、より広くより深く知っていただくため、また後世に歴史の真実を語り継ぐ活動がより発展できることを願って、住民有志で「似島歴史ボランティアガイドの会」を結成しました。このことは党派的な政治的メッセージを発信することを目的とするのではなく、見る聞く知ることで似島の過去の歴史を学び、次世代に継承していただくことです。将来の日本あるいは今後の我々の進むべき方向性を探る一助になればと、私どもは考えております。

 2021年1月

 似島歴史ボランティアガイドの会
 会長 宮崎佳都夫

似島歴史ボランティアガイドの会

この会は、「似島歴史ボランティアガイドの会」(以下「ガイドの会」という)と称する。

(目 的)
ガイドの会は、似島の貴重な歴史的・文化的資源と自然等を生かしたまちづくり活動を推進することを目的とする。

(事 業)
ガイドの会は目的を達するため、次の事業を行う。
(1) 似島の貴重な歴史的・文化的資源や自然などをテーマとしたボランティアガイド活動
(2) ボランティアガイドの養成
(3) 似島の歴史資料の収集・展示
(4) 似島歴史資料館の管理・運営
(5) その他、似島のまちづくりに資する事業

似島歴史資料館

昭和20年8月6日に投下された一発の原子爆弾によって広島の街は地獄絵図と化しました。被害者となった方々の内、似島まで搬送され、陸軍検疫所に収容された負傷者は一万有余と言われています。収容された時点で亡くなった方も多く、また応急手当の甲斐もなく次々と亡くなったために火葬する手間もなくなり、身元不明のままで多くの遺体を埋葬せざるを得ませんでした。戦後、亡くなった方々の遺骨は発掘され、広島市平和記念公園の原爆供養塔に納骨されました。発掘場所となった地は現在「慰霊の広場」となっています。

その「慰霊の広場」に「似島歴史ボランティアガイドの会」が中心になり、ご協力者の援助のもと「似島歴史資料館」を建設することができました。資料館には似島と戦争との関わり、とりわけ原爆投下時の当時の状況やその後の遺骨発掘、その際に発掘された遺品等を展示し、来訪者の方々に原爆被害を含む似島の歴史を学んでいただき、平和の問題に意識を深めていただくものです。

ご見学には予約が必要です。
メールにてお問い合わせを受け付けております。

活動報告(ブログ)

お問い合わせ

ガイドの会へのお問い合わせは guide@ninoshima.orgまでメールにてご連絡ください。

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