似島には明治以降の近代日本における数々の戦争や原爆被害に関わる重く悲しい歴史があり、その歴史の証言者とも言える当時の遺構や遺跡が残されています。しかし、戦後75年を経た今日、当時の出来事を体験した方たちは数少なくなり、残念ながら、若い方たちには歴史の教科書上での出来事であり、自分たちの今日における課題でもあるとの認識が風化している現況があります。
この度、似島の歴史、とりわけ島が関わった戦争および原爆被害に関する歴史を調査、発掘するとともに、過去の戦争や原爆被害の歴史を広島市民のみならず、修学旅行や平和学習で広島を訪れる全国の方々に、より広くより深く知っていただくため、また後世に歴史の真実を語り継ぐ活動がより発展できることを願って、住民有志で「似島歴史ボランティアガイドの会」を結成しました。このことは党派的な政治的メッセージを発信することを目的とするのではなく、見る聞く知ることで似島の過去の歴史を学び、次世代に継承していただくことです。将来の日本あるいは今後の我々の進むべき方向性を探る一助になればと、私どもは考えております。
2021年1月
似島歴史ボランティアガイドの会
会長 宮崎佳都夫